シリーズ3回目の今回はRを使った造作です。先日(連休前~中)展示会の設営に行ってきました。今回もR造作が一部使われています。展示会でのRの効果的な使い方?直線よりもドラマッチックで、エレガントな演出が可能だと思います。店舗、住宅の内装に比べて垂直面での使用が圧倒的に多いですね。
L型の独間スペースに角々の繋がりを連絡する為に用いられるパラペット。また、単体でのデザインを帰結させる印象のサークル。どれもよりインパクトを強調させる役目を持っていると思います。Rの造作は直線の物に比べ手間は約三倍、材料の取り方によってはロスが多い為約2倍近くになる事もあり、また製作のプロセスや、輸送手段に間違いがあると、捻れや変形のリスクが直線物より高いことで、納期とコストを考えると敬遠されがちですが導入した場合やはりそれなりの値打ちを返してくれます。単調になりがちな直線造作にメリハリと変化を与え、扱い方によっては直線ですと、2面に渡りサイン計画が必要な部位をRで構成することで二方向以上をひとつのサインでカバーできたりするメリットもあります。また、国の文化を表現する上で特徴的なシルエットを形成し、「00風」等の雰囲気を出すためにR造作は有効で、他所との差別化も図れます。
私はむしろ直線の造作よりもRの造作が昔から好きで、自身で設計する場合もRやカーブのデザインを多用してきました。内装工事の世界では「すみきり」(角落し)と呼ばれる、人が通り抜ける場所に設置される造作物の角を三角に切り落とす応用として、初めからRで計画をしておきます。垂直面はセットバックされているので、三角になっている場合もありますし、同じRで添ってまわっている事もあります。またそのような切り落とす感覚と違い、カウンターなどをL型に曲げる計画のときにコーナー部分をRにしておく事もあります。造詣的には「切削」して創るよりも膨らまして「組み上げ」るほうが好きです。その点からも展示会的R造作は私の好きなタイプの「組み上げ」なので、依頼者に頻繁に効果的にRを導入したデザインをお勧めしています。
最後にR造作への収納、陳列を考えて見ましょう。外Rの場合直線に比べ妻板は一枚少ないメリットがあります。また、広範囲への陳列物のアピールが可能。反対に収納は少し厄介かも知れません。スペースに対して直線よりもやや収納量が劣ります。デッドスペースが出来やすいのが特徴です。そして、折りたたむなどの変形家具に作る事が難しい。
以上のことから、デザイン性は高いが収納力等機能性にやや難しさがある。というのがRの造作に対する総評でしょうか?いずれにしても使い方により、直線の物より訴える力は強く、人の印象に残りやすい側面から展示会のような性質の造作には有効な一手であるといえます。

