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有限会社 アサヒ工芸  濱野聡史
酒菜三昧 楽庵  其の3 「お金も時間も足りなかったが何とかできた。」

大工さん 日曜祭日返上で、頑張って下さり本当に有難うございました。(キッチンの耐火パネルは加工しにくく重量があるため職人泣かせな面があった。)左官屋さん 遠方仕事にも拘らず夕方暗くなって周りが見えにくくなっても手を止めず仕上げにこだわっていただき有難うございました。ファサードの神代杉とマッチするあの壁の仕上げは「校倉」という和風技法で、くし目の鏝を引いて仕上げる味のある工法だが、決めていた色調ではなく看板に合わせて若干落ち着いた色に加減しながら進めてくださいました。電気屋さん 忙しいスケジュールを縫ってこの仕事を挟んでいただいた上、早朝や深夜にしか時間が取れなくても嫌がらず、お施主様の要望に答えていただき本当に有難うございました。

そして、クロス屋さん、水道屋さん、その他大勢の業者の方々、お施主様と私のこだわりに最後までお付き合いいただき有難うございました。皆さまのおかげで無事竣工する事が出来ました。  が、私の仕事はまだ終わっていなかった!施主にはそろそろ開店準備を始めさせなければならない。しかし彼のこだわりは未だ完成していなかった為、私が受け継いで仕上げる事によって彼の仕込みの時間を確保しなければならないのだ。内装はほぼ仕上がり、厨房も試運転は終了し火が入る状態になっても尚、彼がこだわり続けたこと。これを完成させる責任が私にはあった。(ちょっと笑)

箸置きを完成させること、倉庫の棚を増やす事、背の低い従業員のため踏み台を用意する事。(注意:設計ミスではない、彼はとても身長が高く、彼に使いやすい厨房を用意する事は他の者にとっては全てが高めの位置にレイアウトされるのだ。低い姿勢は板前には結構つらい)実際厨房側と、給仕側面で、2種類の設計モジュールを使用した。

他にも、舟形シンクに置くまな板の脚を作ること。箸置きが終わったら削る筈だった山椒のすりこぎを作ること。包丁ケースを作ること。店が狭く給仕の専用場所が取れなかったため兼ねてより懸案の補助台を設ける事。など等、思いつくことを少し挙げてみても結構盛りだくさんあったが施主との親交を深めつつ一つずつクリアしていった。

 

最後にマイブームのバンブーカウンターについて、少し話そうと思います。少し以前のどこかの現場で和食屋の改装をしたときに小上がりの床に貼ったのですが、オープン前に手直しに行った時、そこのオーナーが店で使う食器を整理する為にその部屋で、皿やら器を床の上に並べたてていました。(その器は信楽焼だったように思う。)バンブーと陶器の色合いの調和がそのときの私にはとても素敵に見えたのです。カウンターの素材選びに何かのアクセントを求めていた今回の施主も、私のこの話とバンブーの見本を見た瞬間、虜になってくれた為に実現しました。この手口で私はもう3件もカウンターに床材を使用(笑)しました。(超硬塗幕仕上の床材なのでカウンターに使用してもクレームは今までないようだが、床材は床材である、一応ことわっておく。

「試食会の準備ができた」と施主が呼んでいるので、話はこの辺で辞めておきます。この店は(私の縄張りからは少し外れているが)、たぶん間違いなく行きつけの店になりそうです。

おわり




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有限会社 アサヒ工芸  代表 濱野聡史

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