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カフェ 新築工事
種類 カフェ 喫茶店
DATA

駅前ショッピングセンターの2Fにあり、ゼネコンの下での内装監理監修付きの案件です。左のカットはファーストインプレッションでのグラフィック(完成予想図)です。左の写真から別窓にて施工詳細写真がご覧になれます。

内装は誰もが落ち着ける普遍的な調子を基調に高級感を出せるよう敢えてレストラングレードの家具を採用しています。

 

内容 設計施工管理
費用 ㎡/¥145,000(厨房器具別途予算組み)
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(2008年12月 2日)

■この施工例のコラムは、過去に別途掲載した記事の転載です

 先月末、私の手がけさせていただいた店が一軒オープンしました。今回の案件は久々に長い期間をかけた設計施工となりました。テーマとなったのは「やりたいこと、と条件下でできることとの違い。仕事の整理そして条件下の選択肢」まさにそんな言葉が相応しい、骨格のふとーい仕事となりました。

※大きな写真の施工例はこちら

 昨年の冬になる。一人の男性が訪ねて来た。「現在、喫茶店を開業している。某ショッピングセンターのテナントでの営業だが、諸般の事情もあり新規開業かリニュアルを考えているので相談に乗って欲しい。」そのような内容の相談を受け、一般的な新規開業やリニュアルについて一時間ほど話し合った。その男性は現在開業していることもあり、工事業者など知り合いも多く人脈もあったので、打ち合わせの末尾にこう結んだ。「お頼みするかどうかは、まだ不確かですが又ご相談させていただくかも解りません。」
  それから数日だったか、数週間か経ったある日、飛び込んできたニュースがあった。 あの男性の営む喫茶店の入っているショッピングセンターが建替えのため仮設店舗にて、営業を開始している新聞広告だった。そこに仮設テナントとして、彼の店の名前も在った。 この間の打ち合わせで、新規開業かリニュアルか、また今後の地域での営業方針など、大揺れに揺れてまとまっていない彼を思い出し、私はもう一度会いたくなった。「何か私にできることがあるのではないか?」何か解らない大きな義務感みたいなものに苛まれ私は彼の店へ向かった。
  「こんにちは。この間はお訪ね下さり有難うございます。」挨拶も早々に、私はふつーの客のように席に着き、メニューをめくる。(食べてみたかったのだ。あの日彼が私に伝え切れなくて、求められている答えが得られなくて確信できなかったことが、食べれば出るような気がしたからだ。この日は妻と、昼食の約束をしていたので彼女にもそれを手伝ってもらった。食に関しては女性の方が感性豊かである。そして今までの話を知らないので、私の妻はこの件について、余計な先入観がない。)コーヒー、紅茶、サンドウィッチ、パスタ、デザート等々。「ご馳走様でした。私なりに出店に対してどのようなイメージを持つべきか、また選んで間違いないあなたの趣向性をまとめて見ます。」店を出る時、私は彼に何を薦めるべきか、答えを出せていた。今から思えば随分おせっかいな話である。が、それが彼にとって好転したと同時に私に責任と信頼を背負わせた。もう、ショッピングセンターの解体工事は始まっていた。木枯らしも緩んであちこちで桜がつぼみ始めていた。
 春になって設計が始まった。今回は新築され直すショッピングセンターに、新装で入りなおすため諸官庁検査、確認申請に対応できる設計図書作成が、第一の課題であった。個人で直接検査を受けるのではなく監理窓口と折衝し、ショッピングセンターを建築している建築請負事業者に委託して検査を受けてもらうため、施主に向けて作る資料のほかに、手続き資料が多々必要になってくる。監理窓口はショッピングセンターの施主とテナント出店者(私の施主)の出店計画を調整すり合わせしなければならないので、微に入り細に渡り設計図書の提出を要求し、全体のデザイン機能について調整管理するため監理室、施主、当社の暫時三角打ち合わせが始まった。今回私は後で述べる理由により施主のディレクターとして集中したい意向から、設計業務は設計事務所を動かすことにした。但し当社の図面として編纂し、監理室への打ち合わせは私がすべて行う条件で。又設備設計については施主の懇意の業者にも参加していただき、基本設計を担ってもらい当社にて編集し、打ち合わせに臨むスタイルを採ったため監理室への提出期限がいつもぎりぎりになってしまい、本体工事会社への連絡が遅くなったため、制限や条件下の設定調整がややこしくなってしまった。施主がやりたかったことと、条件下でのやれることを整理し、レイアウトを変更し、検査関係の条件を満たし、施主の要望をできる限り生かし予算の兼ね合いを考え、厨房設備、換気設備を何度も見直しやっと設計の承認がとれ、工事の見積りが始められる頃には、ショッピングセンターは基礎工事を終わり鉄骨工事に差し掛かっていた。せみの鳴きしきる盛夏の頃である。
 秋の初めに工事の契約を施主と結ぶ。「あーやっとここまできたなあ」施主の一声が印象的な着工前夜となったが、私も同じ思いをしていた。前出のこの案件で、私が施主のディレクターに徹することにした理由だが、できる限り施主懇意の業者にも参加いただき、彼のための最善を考え行動できるいわば今回だけの特別チームを編成したかったからである。だから、現場監督、造作方、金属工事等、普段自社で段取りしあるいは兼務してしまう内容の職種も専門職で揃えた。(但しやれることと、私の専門職については自分でこだわりたかったせいもあり統括監理、家具、大工方は兼務してしまった。)
工期は設計の恐ろしく長い期間に比べるとあっという間の3週間ではあったが、突貫気味の割には混乱や、ロス、残業等少なかったように思う。なぜなら、変更は一切ない。図面に忠実に、工程表に忠実に。それだけ時間のかかった設計だったのだから。建築検査の翌日、ショッピングセンターはクリスマスの飾りつけをはじめイルミネーションの準備に追われていた。

次回施工例にて、工事中のエピソードと写真を公開予定です。

今回は先月御紹介したカフェロマーナさんの工事中のエピソードです。

※大きなサイズの施工中写真はこちら

  設備工事面で、通常の工事と違ったのは、空調(特に給排気)が集中一括システムだった事。大型店舗には良くあるパターンで、店舗の中に換気装置が無くバックヤードや、専用室にて、大型のファンで館内全体の給排気を集中して行なう設備で、個別に換気扇を設けなくても吸い込みと吹き出しを設けるだけで、室内を換気できる利便性が在る。但し吸気と排気のバランスをとるのが難しく不圧気味に設定しないと空気の撹拌が起こらず換気できない事から、専門職による設計が必要な大変さも持ち合わせている。工期が短かった為本来は角型硬性ダクトを使用したいところだがフレキシブル配管とし、工事が進んでから位置の微調整が効く様にして、給排気の相殺トラブルを防いだ。設備面で違ったもうひとつは給排水の面だ。排水は当然土間埋設としないと洗い流し厨房は出来ないが、漏水、ガス漏れ等の不具合時にメンテナンスが容易な様に水道管とガス配管を二次側で、オール露出配管としたことである。配管がむき出しになるのは、作業一辺倒の厨房といえども美しくないので厨房機具屋さんに一肌脱いでもらう事にした。厨房機の脚を壁から配管分だけ前進させ、機器上部は壁に密着するように加工していただいた。これにより、隠蔽配管と等しい厨房を造ることが出来た。

 造作化粧面での一番の特色は、対消防検査仕様と新築扱いの為、建築検査のシックハウス対策に気を使わなければならなかった事である。先ず対消防については不燃材、準不燃材による防火対策の為の材料選定と、シックハウス(注1)に於いては準拠の証明書が必要だった為、工程ごとに写真撮影、材料証明書などの記録を追いつつ工事をこなさなければならず通常より手間が掛かった事である。しかし大型施設の昨今の大災害や、アレルギーや、建築材料による公害など考えると我々の立場の者の責任として、万一に備え、真摯に受け止めて実行するのは当然なのかもしれない。
 オープン後の反響について、少し述べておこうと思う。施設の中には飲食店が多数存在し食事をするところは沢山ある。ところが施設の性質上か?意外にゆっくりと食事できるところが少ないらしいのである。当初文字通り軽食喫茶をコンセプトにしていた、わが施主の店でも、来店客のそういった声に対応して食事メニューを増強させるらしい。来客をゆったり過させる為に採用した喫茶にしては大きめのレストラングレードのイス、テーブル等の家具類が功を奏す時期も近い様である。
(注1)
(ノンホルムアルデヒドとか、F☆☆☆☆という名称で呼ばれる人体及び環境にやさしいエコ型の材料のことで、建築基準法では新築、大規模改装において認定以外の材料は基本的には使用できないとされている。今回私たちの設計図にも「同等及びそれ以上又は規制対象外品を使用の事」を記し実行した。)

 

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