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蓬莱通信

居酒屋のバックカウンター

割烹カウンター厨房の通路を挟んで板前さんの背面、厨房の手前によく設けられている通称「バックカウンター」の製作施工をさせていただいた。機能一辺倒になり易くまた、お店としては使い勝手面で非常に重要なポジションの家具だが、何となくしかカウンターのお客さんから見えない普段は目立たない物である。が、板前さんが持ち場を離れてカウンターが、がら空きになると、お品書きとこいつが露わになりカウンター席から丸見えになってしまう、気の抜けない家具でもある。デザイナーが拘る造形をオーダーしてくる理由もそこにあるのだと思う。「スタイリッシュに、カウンターに雰囲気を合せて。」この注文が図面になって我々に届いた。・・・

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!?カウンタートップと同じ無垢材の天板の端部分が逆三角形に切って落とされた天板の厚みを見せないデザイン。しかも下部の建具も上端を同じく逆三角に内側を落とし、隙間3mm仕上げという、スパルタンな構造だ。・・・(う~レベル高っ、予算無いし、どーしよ?)心の声とは裏腹に極力意向に沿う為デザインの確認をしながら取り敢えずテストモデルを作成した。ところが、「あれ?開かへん!」扉が開かない。隠し丁番は扉を一度内方向に引き込んで開く動作の為、逆三角の部分が厚みの外へ出るほど背が高くなるので内側へ引き寄せられると天板にぶつかってしまう為だった。「3mmではあかん。」丁番を変更するとなると、高価な2段スライドの丁番(内側へ引き込まれず前にせり出しながら開くすごいやつ。ただし、やたら値段が高い)を使うか普通の丁番(軸回転なので開くがインセット扉になる)の2者択一である。2段スライドは値段でNG。普通丁番はスタイリッシュさに欠けるのでNG。「開く高さまで扉下げよか?」工場でこんな検証が繰り返され出来たのがこれである。出来上がって職人の一言が印象深かったので最後に載せたい。  「3mmじゃなくてこれくらい(結果19mm)空いてれば手、掛けやすいから開けるの楽やな。扉つまみ(ノブ)は歩くとき引っ掛かるかも知れんし、もし2重スライドやったら、プッシュラッチ(扉を押すと少し手前へ出てくる装置)つけんと開かんし丁番重いから一発で開くか解らんしな」   怪我の功名かも知れないが、ナイスな仕上がりに出来たと思う。

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