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蓬莱通信

水晶のディスプレイケース

「お土産に戴いた水晶の原石を玄関に飾っているのだが、それを納めるケースがほしい。」との依頼をうけ、打ち合わせにお伺いした。

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その邸宅の玄関ホールにはニッチがあり、水晶の他にも思い入れの深そうな様々な物が飾られていてそれなりにしっくりしていた様に思ったが、その水晶には鑑定書が付いていて、ケースに入れたい=他の飾りものとは差別化したいのだな、とか絵画を額装するのと似た趣向だなといった趣旨が、ご依頼人から伝わってきたので「博物館的な陳列方法」を提案した。鑑定書についてはご依頼人はさほど気にされていなかったが、私はこの場合「鑑定書の扱いでディスプレイの拘りが表現できる」と思い、数種の提案の中に鑑定書の見せ方を強調したプランを立てることにした。

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製作において留意した点はガラス囲いが、有っても無くても成立しそうな木製台のデザイン。照明は素直な使い方ではなく、石の反射光を利用した照らし方、鑑定書の(魅せ方)等々である。大きさは(写真から割愛したが)額絵が上に掛っているのと同じほどの幅で奥行きはニッチとほぼ同じに計画。水晶ケースを余白いっぱいにデザインして設置することで、ガラスケースの右と左に空間を分けてしまうことで複数並んでいる飾り物の見え方を整理し、水晶と差別化することにした。照明器具の角度やトランス器具の内蔵スペース、水晶の大きさ、壁の余白と完結している寸法制約がかなりあったのでその分デザインもはっきりしたのだと思う。ご依頼人からは、「単に家具を製作するだけでなく、日頃から空間に携わる仕事をしているだけあってまとめ方が巧いですね」とお褒め戴き、一つの達成感が持てた。

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